O-7-5
急性上肢動脈閉塞に対する積極的な血栓除去術の予後
○柴田正幸,駒井宏好,中村恭子,重里政信
済生会和歌山病院 心臓血管外科
【目的】上肢の急性動脈閉塞症は下肢に比べると虚血症状の程度が軽く保存的に経過観察されることもあるが,当院では軽症例に対しても積極的に早期の血栓除去を施行することにしている。今回,上記方針で当院にて経験した急性上肢動脈閉塞症例についてその予後を中心に検討した。【対象および方法】2004年 1 月~2006年 5 月までに当院で外科治療を行った上肢の急性動脈閉塞は 7 例であった。年齢は45~93(平均71.6)歳,性別は男性 3 例,女性 4 例であった。これらの症例の予後の詳細をカルテや電話調査などで明らかにした。【結果】受診時症状は疼痛 3 例,しびれ 2 例,運動障害 1 例,チアノーゼ 1 例であり,左 4 例,右 3 例であった。術前不整脈は 6 例(心房細動 5 例,洞不全症候群 1 例)に認めた。全例局所麻酔下に上腕動脈切開でFogartyカテーテルによる血栓除去術を行った。7 例中 1 例は 2 回の血栓除去にても手関節以下の血管床の血流が回復せず手指は壊死に陥ったが,他の 6 例は血栓除去により良好な血流を回復させることができた。術後平均8.7カ月の経過観察中血流回復不能例の 1 例が術前からのMRSA腸炎,敗血症にて 2 カ月後に死亡したが,血流回復例 6 例に死亡はなかった。早期合併症として下肢血栓塞栓症を 1 例に,上腕動脈狭窄を 1 例に認めたがいずれも追加手術で軽快した。血流回復例ではその後上肢虚血症状は全例で完治し再発や後遺症も認めなかった。【結語】急性上肢動脈閉塞では心房性不整脈の合併が多く塞栓症が重要な病因と考えられた。術後の予後は比較的良好であったことから積極的な早期血栓除去の方針は妥当と考えられた。
Key words:acute arterial occlusion, atrial fibrillation




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